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源頼朝が源氏復興の百日詣に通った社

古くより三島の地に鎮座し、奈良時代の記録にも残る三嶋大社。林業、農業など山森農産の守護神「大山祇命(おおやまつみのみこと)」と、漁業航海や福徳・商売繁盛の神であり恵比寿様とも称される「積羽八重事代主神(つみはやえことしろぬしのかみ)」の二柱を「三嶋大明神」と称して祀っています。

平治の乱に敗れて14歳で伊豆国へ流された源頼朝は、伊豆国 一宮である三嶋大社を崇敬し、源氏再興のため百日詣に通ったといわれています。そして1180年(治承四年)8月、三嶋大社の祭礼日に合わせて韮山で旗揚げした頼朝は、伊豆国の目代山木兼隆を討ちました。毎夏、盛大に催される「頼朝公旗挙出陣奉告祭」はこの故事によるものです。

三嶋大社に感謝した頼朝は所領を寄進したほか、社域を広げて「神池(しんち)」を整備。また三嶋大社から南へと向かう下田街道も真っすぐな道へと整備しました。そして、箱根権現(箱根神社)と走湯権現(伊豆神社)へ参拝する「二所詣(にしょもうで)」のルートにも加えています。境内には頼朝と北条政子が休息を取ったとされる「腰かけ石」や、政子が勧請した「厳島神社」など、頼朝夫妻にゆかりのあるスポットが数多く残っています。

また、樹齢1200年と伝えられる天然記念物の金木犀は毎年9月上旬から10月上旬にかけて2度の満開を迎え、参拝に訪れる人を楽しませています。その甘い香りは2里(8km)四方に届くと言われたほど。伊豆の名工として知られる小沢半兵衛・希道親子ら一派による、精緻な彫刻が施された総けやき素木造りの本殿(重要文化財)などの貴重な建物にも注目を。

歴史の息遣いを感じる宝物館

宝物館には、現存する源頼朝の文書の中でもっとも古い「源頼朝下文(くだしぶみ)」(重要文化財)など、源頼朝や北条時政ら鎌倉期の武将、足利尊氏・足利直義ら南北朝期の武将らの寄進文書など、歴史的に貴重な資料が収蔵されています。また、北条政子が奉納したと伝えられる国宝「梅蒔絵手箱」は、当時の最高技術を結集して仕上げた逸品です。

厳島神社

頼朝の妻・北条政子が勧請したとされる神社で、「市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)」を祀っています。安産・裁縫上達のほか、辨天(べんてん)様とも称され芸事上達の信仰対象でもあります。

腰掛石

源頼朝と北条政子が、源氏再興祈願のため三嶋大社を100日に渡って日参した際に休息したとされている石が境内にあります。頼朝は左側の石に、政子は右側の石に腰掛けたという伝承があります。

神馬舎

三嶋大社には、神馬が毎朝、神様を乗せて箱根山に登るという伝説があり、子供の成長と健脚を祈る風習があります。古くは生きた馬が献じられましたが、現在は黒漆塗りの木馬が安置されています。

相生の松

1180年(治承4年)、源頼朝が源氏再興のために百日詣をした際、側近の安達藤九郎が警護していたと伝えられる場所には、1本に赤松と黒松が生えている縁起のいい「相生の松」が植えられています。

たたり石

昔は東海道と下田街道の真ん中にあり、交通整理の役目を果たした石。ここでいう「たたり」とは機織(はたおり)の縦糸が絡まないようにする道具のことで、交通を整理するという意味があります。

頼朝公旗挙出陣奉告(毎年8月16日)

1180年(治承4年)8月17日、源頼朝が三嶋大社祭礼の夜(18日未明)に挙兵し、初戦に勝利を得た故事に基づいた祭事。本殿にて奉告祭、舞殿前で出陣式を執り行い、市中パレードが行われます。

関連人物

基本情報

住所 静岡県三島市大宮町2丁目1-5
HP http://www.mishimataisha.or.jp/
駐車場 大型バス 13台
乗用車 約55台
大型車 1,000円/1時間ごと
※大型バス,マイクロバス,下記小型車を除く車輌小型車200円/1時間ごと
※乗用車 全長5m 全幅2m未満の車輌
トイレ あり

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