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悲恋に身を裂かれた八重姫を祀る御堂

室町時代中期に、實山永秀を開山として密教系から曹洞宗に改宗した眞珠院(しんじゅいん)は、歴代の住僧たちによって壮大な寺院に発展しました。鎌倉初期に源頼朝との悲恋に身を裂かれた伊東祐親(すけちか)の娘・八重姫を祀る寺としても知られています。

伝承によれば、恋仲であった頼朝を慕って伊東から山を越え、北条館を訪れた八重姫は頼朝の心変わりを知り、眞珠院近くの眞珠ヶ渕に身を投じたといわれています。八重姫が祀られているのは、山門をくぐって右手に佇む小さな「八重姫御堂(静堂)」。「せめて梯子があれば姫を助けられたものを」という里人の思いから、堂の前に小さな梯子を供える梯子供養の習慣が生まれました。現在は、願い事が成就したお礼として奉納されています。

境内には1302年(正安4年)の紀年銘が刻まれた県内最古の在銘五輪塔「定仙大和尚塔(市指定文化財)」があります。また、裏山には密教信仰の対象として山肌に刻まれた仏像「阿弥陀如来磨崖仏(市指定文化財)」も残されています。本堂横の門扉が開いている時は、水を用いた水琴窟の音色が響く中庭を拝観できます。

(写真提供:伊豆の国市)

女性の守り神となった八重姫

伝承によれば、八重姫は愛のお守りとして知られる那木(なぎ)の一枝を手に「せめて我が身を投じて、将来共末長く不幸な女人たちの守護神となりましょう……」と、身を投じたといわれます。そして今日に至るまで、女性の守り神として信仰を集めており、今も参詣の人が絶えません。毎年4月の第2日曜日には、八重姫供養祭が執り行われます。

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基本情報

住所 静岡県伊豆の国市中條2
HP https://izumoude.com/tera/shinjuin.html
駐車場 5〜6台ほど
トイレ あり

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