エスカレーター・円形ホール
入口から本館へ続く高低差48.5m、203.5mの道をつなぐのは4基のエスカレーター。途中の円形ホールでは、直径約20mのドーム型天井いっぱいに刻々と変化する万華鏡の映像が投影されています。
文化と自然の豊かさを体感できる美術館
海抜270mの丘陵地に建ち、熱海市街はもちろん初島や伊豆大島が浮かぶ相模灘を一望できる美術館。東洋美術の絵画や書跡、工芸を中心に、国宝3点と重要文化財67点を含めた約3500点の収蔵品を誇ります。なかでも尾形光琳の最高傑作とされる国宝「紅白梅図屏風」は特に名高く、毎年2月の梅の季節に合わせた限定公開には多くの人が訪れます。
豊臣秀吉がつくらせたという「黄金の茶室」や尾形光琳が最晩年を過ごしたとされる屋敷が文献に基づいて復元制作され、敷地内の庭園には豊臣秀吉の重臣で“賤ヶ岳の七本槍”の一人として知られる片桐且元が薬師寺の普請奉行を務めた際の宿舎の正門「片桐門」が移築されているなど、歴史を体感できるスポットが随所にあるのも魅力のひとつ。
地上3階から地下1階からなる本館は、およそ11カ月におよぶ改修工事を経て2017年2月にリニューアルオープン。展示空間の設計を手がけたのは、世界的に活躍する現代美術作家の杉本博司氏と建築家の榊田倫之氏によって主宰される「新素材研究所」。屋久杉、行者杉、黒漆喰、畳といった日本の伝統的な素材を用いつつ、作品の美を最大限に生かす工夫が随所に凝らされています。
公家や武将、茶人や外国の宣教師らが記した文献史料に基づき、数奇屋建築の泰斗である堀口捨己博士の監修のもと復元された黄金の茶室。豊臣秀吉は、この茶室を1587年(天正15年)の北野茶会にも用いたほか、1592年(天正20年)に朝鮮出兵のため肥前名護屋に出陣した折も大阪より運ばせて茶の湯を行なったことが知られています。
入口から本館へ続く高低差48.5m、203.5mの道をつなぐのは4基のエスカレーター。途中の円形ホールでは、直径約20mのドーム型天井いっぱいに刻々と変化する万華鏡の映像が投影されています。
およそ23万6400㎡(約7万1500坪)の広大な庭園。約40種、3600株が咲き乱れるつつじ山や、約360本の古木に紅白の梅が咲き揃う梅園などが広がり、四季折々の豊かな美しさを堪能できます。
屋根は檜皮葺きの入母屋造、舞台は総檜造りで、鏡板の松は日本画家の松野秀世氏が揮毫したもの。観世、宝生、金春、喜多、金剛の諸流による定期的な演能会のほか、音楽会なども開催されています。
1586年(天正14年)に豊臣秀吉が京都御所内に組み立て式の黄金の茶室を運びこみ、黄金の道具を用いて正親町天皇に茶を献じたという史実に基づいて復元制作された茶室は、実際に解体が可能。
尾形光琳が最晩年を過ごし、国宝「紅白梅図屏風」を描いたと考えられる屋敷を自筆図面と大工の仕様帖に基づいて復元。2階に絵所、1階に5畳半と3畳の茶室を設けた江戸時代の数寄屋建築です。
備前池田藩の筆頭家老を務めた伊木三猿斎ゆかりの茶室。名称は、同館所蔵の重要文化財・伝光悦作「樵夫蒔絵硯箱」に見られる樵夫の図様と類似した図が襖絵に描かれていることにちなんだもの。
住所 | 熱海市桃山町26-2 |
---|---|
アクセス | 最寄りのバス停/伊豆東海バス「MOA美術館」 ※湯~遊~バスチケットでも乗車可 |
電話 | 0557-84-2511 |
HP | http://www.moaart.or.jp/ |
観覧料 | 一般1,600円、高校生・大学生1,000円、 シニア(満65歳以上)1,400円、中学生以下無料 |
開館時間 | 9:30~16:30(入園は~16:00) |
休館日 | 木曜日(祝日の場合開館)、展示替え日 |