戦国時代に終止符を打ち、天下統一を果たした徳川家康は、
ここ、静岡県は『熱海』をこよなく愛したと伝えられており、
熱海には家康公ゆかりの場所が今もなお、多く存在しています。
熱海駅前ロータリー 足湯「家康の湯」
熱海駅の駅前には、「家康の湯」の名が付いた天然温泉の足湯があります。
徳川家康来熱400年(2004年3月)の記念事業として設置され、連日多くの人でにぎわっています。
【温度】約41度(源泉は68度)
【泉質】ナトリウム・カルシウム-塩化物
熱海駅前の足湯の他、現熱海市役所付近には、家康公が熱海を訪れた際に通った橋
(「ここを通って御成りになった」ことから名付けられたとされる)「御成橋(おなりばし)」や、
家康が愛した源泉と同じ源泉が楽しめる「日航亭大湯(にっこうていおおゆ)」など、
当時の名前を今に残した歴史スポットも。
※「日航亭大湯は2023年11月16日に閉店いたしました。
家康公が多くの時間を過ごした駿府城から江戸に向かう途中に位置する熱海市。
諸説ありますが、家康公は、ある歴史上の人物を大変尊敬していたと言われています。
その人物こそ、多大なる知恵や武力で鎌倉幕府を開いた源頼朝。
源頼朝は伊豆に流され、ここ熱海の地で北条政子と結ばれたことでも有名ですが、
そんな頼朝の政治戦略や武運長久を見習おうと、歴史書の「吾妻鏡」を熟読していたとも言われています。
家康公は、頼朝が崇敬していた熱海市の伊豆山神社に、武運を願いに参拝されたと伝わっています。
関ケ原の合戦前には熱海温泉に入湯し、
パワーをもらって天下統一を成し遂げたという伝承も残るほど。
家康公はお忍びで湯治に訪れたり、京都へ向かう途中、息子たちを連れ、
途中の熱海温泉で7日間の湯浴み逗留をしたとの記述もあります。
「大湯間歇泉(おおゆかんけつせん)」(熱海市市役所近く)
当時、家康公や諸大名が熱海に訪れた際に入浴していたのは、
熱海七湯のひとつ「大湯間歇泉(おおゆかんけつせん)」から湧き出た
源泉だと言われ、大湯間歇泉からほど近い、旧熱海本陣跡地にある
「日航亭 大湯」では、当時の家康公が好んだ同じ源泉を愉しむことができます。
※「日航亭大湯は2023年11月16日に閉店いたしました。
家康公が熱海の湯を愛でたことは、後の将軍たちに大きな影響を与えました。
3代将軍:家光も熱海での湯治を望み、現在の熱海市役所付近に熱海御殿を造営。
4代将軍:家綱の時代には、江戸城まで熱海の温泉を運ばせた「お汲湯(おくみゆ)」が始まり、
大湯の温泉を江戸城まで運び、将軍家に献上していたと言われ、
家康公以後も長きに渡り熱海温泉は人々に親しまれてきました。
家康公が全国に名を広めた広めた熱海温泉には、今も当時の名残を受け継いだ伝統が残っています。
大湯間歇泉近くに鎮座する『湯前神社(ゆぜんじんじゃ)』が毎年10月に執り行う
湯前神社秋季例大祭「湯まつり」の「湯汲み道中」では、大湯の温泉を汲んだ檜の湯樽を担いで
「湯汲坂」を下り江戸城まで走って運び献上したという故事を再現したパレードが行われています。