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古くから人々を魅了してきた雄大な景色

「伊豆」「駿河」「遠江」「甲斐」「信濃」「武蔵」「上総」「下総」「安房」「相模」の十国と、「大島」「新島」「神津島」「三宅島」「利島」の五島を見渡せることからその名がつけられたという十国峠(じゅっこくとうげ)。いまも晴れた日の頂上からは北に富士山、西に駿河湾、東に相模湾という雄大な景色が広がります。
じつはその名称が使われるようになったのは明治以降だといわれています。『熱海市史』によると、江戸時代からその景観の素晴らしさは知られていたものの当時は「丸山」と呼ばれ、日金山の一部と考えられていたようです。幕末から明治にかけて活躍した随筆家の成島柳北は、紀行文の中で十国峠からの壮大な眺めを描写して「日金之勝、天下に聞ゆ」から始まる長歌を詠みました。昭和4年に発行された『熱海漫談』には「熱海に遊んで、此の山上の大観を極めないのは大きな忘れ物である」と記されています。
市街地の温暖な空気とは少し違う、静寂に包まれた峠から望む朝日や夕日に染まる富士山は絶景です。絵筆をもってこの展望を描こうと試みた芸術家も多かったようですが、この広大さと美しさを前に歯が立たなかったとも伝えられています。また、峠の広場には源実朝が箱根権現と伊豆山権現を参拝する二所詣に出向いた際に詠んだという歌の歌碑が建っています。

たびたび熱海を詠んだ源実朝

源頼朝の息子であり、わずか12歳で鎌倉幕府の3代将軍となった源実朝は、詩歌を愛したことでも知られています。鎌倉から箱根権現と伊豆山権現に参詣する途中で幾たびも十国峠を越えており、眼下に広がる伊豆の海を見たときの感動を沖の小島(初島)に寄せて詠んだ歌は、十国峠から初島が見える広場に歌碑として残されています。

源実朝の歌碑

生前は和歌に親しみ、多くの歌を残した源実朝。彼が22歳のときに詠んだといわれる「箱根路を わが越えくれば 伊豆の海や 沖の小島に波の寄る見ゆ」は、万葉集の秀歌とされています。

姫の沢公園

本格アスレチックが楽しめるほか、約600種の植物が見られる自然公園。毎年4月下旬に開催される「花まつり」の頃になると、山の斜面に6万株のツツジが咲き乱れます。

十国峠ケーブルカー

十国峠レストハウスにある「十国登り口駅」と展望台がある山頂の「十国峠駅」を結ぶ全長316mのケーブルカー。自然を満喫しながらトレッキングで訪れるなら、姫の沢公園から約1時間半ほど。

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基本情報

住所 田方郡函南町桑原1400-20
アクセス 最寄りのバス停/伊豆箱根バス
「十国峠登り口」(姫の沢公園経由)
電話 0557-81-6895
(箱根 十国峠ケーブルカー)
HP http://www.jukkoku-cable.jp/
運賃 大人往復730円、小人往復370円
営業時間 8:51始発、16:50最終
運休日 強風など天候不順の場合あり

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